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さくらアパートメント・山山堂
 本を読んでいたら【ダニ飯】という語が目に飛び込んできて仰天しました。どういうことなのだそれは?!
 と、よくよく読めば【夕ご飯】でした。そうか、なんのことはない。安心しました……しません。私の胸中では登場人物が夕ご飯に食べたのは「ダニ飯」です。そういうことになっているのです。なってしまったのです。なんてことだろうんべ。

 ちなみに今「だろうね」とタイプしようとしたところミスして「だろうんべ」になってしまいましたが、面白いのでこのまま「んべ」にしておきますんべ。ちょっと気に入りましたんべ。みんなも使うんべ。

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 さて、昨日7月27日、名古屋に出掛けてきました。
 黄色いTシャツを着て行ったんですが……駅で、電車の車内で、道で、店舗で、あらゆる人ごみで周囲を見回してみましたが……真っ黄色の服を着てる人は私しか居ませんでした。「ああいま私は不用意に無意味に目立っちゃってんだろうなー」と考えふけりました。平日の黄色は嫌味なのだろうか。それが若さなのだろうか。さて……。

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 まず栄ナディアパークのすぐ南東にある『さくらアパートメント』に行きました。お知り合いの娘さんが期間限定でお店を出展していると聞き、お邪魔しました。ナディアパークには数回行ったことがあったんですが、すぐそばにこんな面白い建物があったなんて知りませんでした。
 すばらしく面白いところです。一種の専門店街なのですが、入っている店がとにかく個性的です。「なんだここは! リカちゃんハウスか?!」っていうようなフリルをめいっぱい使った店舗、「あんな狭い入り口からどうやってこの家具入れたんだ?」っていうような和風家具屋、オリジナルの革製品売り場、レゲエ愛好家専門店、帽子屋さん、マッサージ屋さん、アロマテラピー……バラエティに富んでました。しかも、それらが相乗効果を上げている感じでした。ばらばらで好き放題ではなく。全体に明るくて、楽しげな建物でした。
 この写真は館内マップの右上の部分です。右のような地味な服装で「とりあえず見てみるか〜」と入った人が、左のようなフリフリキャピキャピ(死語)になってしまうスポットです。全体的に品物は高かったですけど、どのお店もすごくセンスが良かった。

 私は一階の和風小物屋さんで手ぬぐいを買いました。柄がとてもよかったのよ、涼しげで、クールで、ナチュラルで。私は自宅ではヘアバンド代わりに手ぬぐい使ったりしてるんですが……ここで買った手ぬぐいは外でも使えますね。古い技術と現代のセンスとがうまく調和してます。いいです。とても気に入りました。

 お知り合いの娘さん、宮島愛未さんのお店はその日が最終日で……私がお邪魔した夜7時半にはディスプレイが後片づけされ、店じまいしたあとでした。申しわけなかったです。
 売り物だったのかな、コピー機で印刷されホチキスで閉じられた絵本を頂きました。……私は昔、ある会員誌に属してたことがあるんですけれど。そこでの創作を思い出しました。ある年齢にしか書けない、等身大で正直な物語でした。ボールペンの線がころころっとしていて可愛らしい、親しみのもてる絵本でした。

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 その後、覚王山の南西にある『山山堂』さんへ行きました。壁の一面が山岳関連書籍でいっぱいの喫茶店で、照明の暗い、木製の柱や階段が落ち着くいい感じのお店です。お料理もおいしいです(メニューは不定的です。自信がなきゃそんなこと出来ません、ううむ)。……知り合いのお知り合いのうどん職人さん、げんさんのお誕生日会があったんです。私はお邪魔かなあと思いつつお邪魔しました。

 いい人たちばっかりでした。なんていうか……つるんとした。裏表のない、細かいことには気にしない、気にさせない、礼儀正しい……ピュアな人たちばかりでした。うーん、どういったらいいのかな。ポジティブな人たちばかりで、場が優しい雰囲気でした。
 善意にあふれた人たちによる、善意にあふれた誕生日会でした。デザイナーさんが誕生日ケーキのデザインをして、わあすごいってみんなでわいわい騒いで。久々にお会いする方もいらっしゃいました。良い夜でした。
 ご飯もおいしかったです、そうめんのつゆにミョウガが入ってて、いいアクセントを出してておいしかった。膳ごと家まで持って帰りたいと思いました。うつわも素敵だったな。

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 さて、今日の一枚です。クリックすると大きいサイズ(800px×600px、69KB)で見れます。
 わかりますか、この鉄塔の素晴らしさが! 右下から伸ばされた電線が、この鉄塔で上へ吊るし上げられ、左上に経由されているんです。なんて高度な技なんでしょう。デルタ翼を展開し発進するロケットのようにも見えます。
 この写真では電線の流れがわかりやすいよう斜め横から写していますが、真正面からのアングルもかっこいいのです。枝が上下に複雑に伸びているため、どこから見ても隙のない造形となっています。
 ま、興味のない人にはどうでもいい話かな……んべ。
2004-07-28
(c) Mitsuhiko WAKAHARA