トップページ ≫ 寓話・散文 ≫ 近況ログ 人の流れ
人の流れ
 8月14日、『tamatogi』第三回、無事終了しました。お盆まっただなかということで、お客さんが来てくれるかどうか不安でしたがたくさんの方々が寄って下さって。オープンマイクもレベル高くて賑やかで。とてもよかった。ほんとうに。よかった。
 皆様のおかげです。有難う。

   *

 オフラインのイベントに出て行くようになって、いろんな人と会いました。オープンマイクでお会いした方もいれば、知り合いの知り合いという形で接した方、ネット上で知り合った方……さまざまです。詩を書いてる人、音楽をしてる人、絵を書いている人、パフォーマンスをしている人、学生、会社員、大人、未成年……さまざまです。

 去年、近況によく「私はいま無理をしている」といったことを書きました。オフラインの詩のイベントに出かけることは、私にとって「ちょっと無理のあること」でした。わざわざ出て行く必要性はなく、自室で詩作してネットで公開する、たまに賞に応募してみる、いつか詩集も作る……それでよかった筈でした。
 当初の欲や興味心が薄れても私が名古屋に通い続けたのは、そこに人間関係が発生したためです。約束を守らねばとか、相手に役立たなきゃとか、責任を果たさなきゃとか。信用とかイメージとか気にするようになって。行かなきゃならない。……出て行くと人に会い、人に会ったからまた出て行く。……循環です、ぐるぐると。いったん出たらひけなくなっちゃった。

   *

 オフラインの場に出て行くことが正しいことだったのか、必要なことだったのか、あるいは出て行くなら出て行くで、もっと意思や目的を持ち過激に行動すべきではなかったか。……ここ2年ほどを振り返ったとき、気付くのは「受け身」で「流され」てきた私の姿勢です。必要性も具体性も意欲も目的も五里霧中のまま、訪れた場や出会った人に影響され誘われて動いてきました。気付けばステージにも立っている。シーンを知らない人に「今度ライブに出る」と話すと相手の態度が変わったりする。親や姉妹がなにか安心した様子になった気がする。自分自身なにか免罪符だか巣だかを得た安心感を自覚している。
 ……とても幸運でした。あちこちに首を突っ込み漂った結果が現状です。運が良かったと思います。感謝しきりです。

 でもね、このままでいいのか、という問題もあるのですよね。ひとつには「受け身でいいのか」ということ。ふたつには「本当は自分は何がしたいのか」ということ。特に後者の方が大きな問題で……「やりたいことのためにリスクを背負っている」というのではないのです、今の私は。オフラインに詩作者人生を賭けてはいない。
 これを、腹をくくって完全に流れに身を投げるか、今まで通りオフラインの場は「一面」に留めておくか。
 ……今回の『tamatogi』でたくさんのお客さんが来てくれて。桑原さん上田さんはやっぱり筋の通った人で。オープンマイクでは、それぞれの特色がすごく出ていて。私はどうしたものなのか、考えさせられています。

   *

 さて、今日の一枚……はお休みです。
 ところで。数人の方から「この巻頭近況を読んだよ」とのお言葉を頂きました。ううむ、迂闊なことは書けないですな。蛇蝎のごとくに嫌われそう。死活問題がそこにある。おかずが一品減らされる。三日月お月さんこんばんは。九月がそこまでもう来てる。
 ってなモンで、このサイトは相変わらずです。鬼瓦ズです。有田ガラスです。兄キャバラスです。……。キャバラスって何だ。しかも兄。
2004-08-16
(c) Mitsuhiko WAKAHARA