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旅人スナフキン・貯金箱スナフキン
 昨晩の深夜、外に出てみたらすごい星空でした。天の川が見えんかという。昨日の雨が嘘のように、雲ひとついない快晴でした。地平線ぎりぎりまで星が見えました。雨の後だったから空中のほこりなどが落ちて空気が澄んでいたのかしら。そんな単純なものではないのかな。とにかく星が多かったです。ふだんの三倍ぐらい。
 それにしても、朝夕めっきり寒くなりましたね。早朝、昨日は25度あった場所が今日は18度でした。差が激しすぎやしませんか。ついこないだまで猛暑だと騒いでた国とは思えません。つい46億年前まで宇宙の塵だった惑星とは思えません。ところで金星へはどう行ったらいいんでしょう。すみません。

 ……駄文はさておき。スコップはものおき。闘魂はいのき。みそ汁にえのき。

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 そういえば思い出したのですけれど。11日の朝、私はムーミンを見たのでした(どうでもいいですが今「むーみん」を日本語変換したら「ムー民」とでました。ムー大陸国民の事だと思います。それは違います)。岐阜放送では、土曜の朝にアニメの『ムーミン』を放送してるんです。気が向いたときだけ、思い出した時だけ、私は見てます。
 11日は『スナフキンの旅立ち』というタイトルでした。「ええっ?! スナフキンがどっか行っちゃうの?!」と興味深々で見ていたら──

・スニフ(カンガルーみたいな子)が壊れた蓄音機をおばさんから貰い、ムーミンパパに直してもらおうと持ってきた
・直ったのでダンス音楽のレコードをかけてみんなでダンス。外は晩秋の冷たい雨
・ダンス中、また蓄音機が壊れた
・スナフキンが申し出る「じゃあ僕のハーモニカで踊ってはどうだろう」「ハーモニカじゃさみしいかもしれないけれど」
・ところで、フローレンのお兄さんは飛空艇を作っている(まだ完成していないから作業場は見せたがらない)
・さておき、ムーミンたちは冬のあいだは眠ってすごす(冬眠する)
・スナフキンは冬になると南方へ旅に出る
・ニョロニョロも冬が近づくと(手製の小船で)ムーミン谷を離れる(行き先は誰も知らない)
・ムーミンパパも昔は旅をした事があった
・ムーミンはスナフキンと一緒に旅に出たい
・それをスナフキンに話すとスナフキンは「僕もそうしたい。きっと楽しいだろう」「でもムーミン、僕は孤独になるために旅に出るんだ」「冬の孤独から、春このムーミン谷に戻ってきたときのよろこびは格別のものだよ」「帰ってきたら僕は小川の橋でハーモニカを吹くよ」「ムーミンたちはそのとき元気で僕を迎えてくれ」
・冬用のまきを割りながらムーミンはムーミンパパに呟く「ぼくもっと大人になったら一人で旅に出るよ」
・スナフキンは旅立っていく。ヘムレンさんが山道の植物を虫眼鏡で見ている。挨拶する二人「旅立ちかねスナフキン」「ヘムレンさん。さようなら」「また春にな」

──か、かっこよすぎないかスナフキン。そんな言動、ムーミン谷はおろか世界中どこを探してもスナフキンにしか許されないだろう。なんかくやしいけど憧れるわぁ。くそー。
 ちなみに予告によると次回は「冬眠中になぜかムーミンだけが目覚めてしまった。そこにはまだ見た事のない白銀のムーミン谷が広がっていた」という内容だそうです。うわー、なんか貴重な回みたいだ。見てしまいそう。ハマってしまいそう。

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 2年ほど前に読んだ村上龍の新書『eメールの達人になる』に「私はウィルスも広告も全てのメールを保存している」と書かれていました。……なるほど、たしかにテキストで容量はたかが知れているし記録は残しておいたほうがいいな……と思ったので、以来、私も全てのメールを保存し保持するようになりました。
 で、いまふと「未承認広告メール」のフォルダを件名で整理してみたら。『○○○の大きさでお悩みの貴方へ』という件名のメールが6月から今日までに15通も届いてました。……「あれの大きさで悩んでそうな人リスト」に私が記載されているんだろうか。なんとなくいやだなあ。別に悩んでないけど。なんとなくいやだ。

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 それでは、今日の一枚です。
 私の500円玉貯金です。左のスナフキンは貯金箱です。アニメのスナフキンとは鼻の形や足の長さに違和感がありますが、かわいくて気に入ってます。もにゅもにゅした何とも言えない材質で、弾力ある手触りが良いです。
 右の棒状の物体は、スナフキン貯金箱が一杯になったとき中身を移すためのタンクです。ゲータレードの飲みくちの広いペットボトルです。
 で、中央のうろこ状の金属片が500円玉です。数えてみたら新500円玉が147枚で旧500円玉が33枚、計180枚、9万円ぶんありました。じゃばじゃばです。一枚ぐらいなくなっても分かりません。我が家に泥棒に入る人はここを狙うべきだと思います。大金です。
 でもこれ、鈍器になるぐらい重いです。体重計で計ってみたところジャスト1キロありました。ううむ、携帯には不便です。買い物に出かけてこれで支払いしたら怒られる以前に腰を痛めます。
 それにしてもなぜ私は500円玉貯金なんて始めたんでしょう。この結果を目の前にして、目標も原因も思い出せません。とりあえず今後も収集し続けていくことは確かですが、銀行に貯金したほうが安全だとも思います。しかしそれではお金のありがたみが、この目の前の実在感が失われてしまうじゃないか……と思いましたが、本当にお金のありがたみを知っている人はここまで現金を手元に置かないような気がします。いや、この現金は置いていても使えないからこれでいいのか。これは現金ではなく貯金なのか。それともオブジェなのか。修行なのか。
 ほんと、何が目的なんでしょうこの貯金は。これを書いていて、だんだん不安になってきました。
2004-09-15
(c) Mitsuhiko WAKAHARA