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けがれなき世界が何処かにあって
ティッシュ配りにはティッシュ配りの人生があって
駅員には駅員の人生がある訳だけれども
その割にティッシュ配りは大切にされておらず
駅員はそこそこ幸福そうに見える
 
きのうテレビでとある政治家が
生まれ育ち逮捕されるまでをドキュメントされてた
コメンテーターは総勢で政治家を恥と呼んだ
私は見ていて悲しくなってしまった
 
たとえば今すれちがった人の胸に
ペースメーカーが入っているとしたらどうだ
たとえば今すれちがった人の家族が
刑務所で服役中だとしたらどうだ
 
みんなが公務員になりたがる理由がよくわかるよ
私だってなれればそうしてたさ
安心して死までの旅を楽しもう
そう言ってあげることは簡単だけれど
 
この歳になってつくづく思うことがある
神様ぐらい居てもいいのではないかと
ただの傍観者でもいっこうに構わないさ
けがれなき世界が何処かにあって
(c) Mitsuhiko WAKAHARA