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点輝の責め苦
ひきしぼった弓は太陽を射てなかった。
太陽が射てないのに月が射てるはずがない。
大の字になって笑った笑った笑った。
ノドはボーボーと凶鳥のように鳴った。
 
逃がしたものはもう戻って来るまい。
風車と戦う方がまだマシだと伝えろ。
いずれ東から夜更けが進んでくる。
あれが私の手柄でありさえすれば。
 
仮説に疲れきって黙りこむ表皮。
死者1名。翌朝の新聞より引用してみる。
 
見えるか世界の果ては今オレンジから赤だ。
光あり世界は陰影が裁判する。
退化した眼は輝きに苦しみを覚えた。
束の間だ束の間だと激痛に耐えて泣いた。
 
白濁した脳裏で祈るべき対象を探す。
知恵を捨てず暴露されない方法は闇。
黒曜石の中に埋められてみたいと願う。
さもなければ独房にでも放り込んで頂きたい。
 
助けも呼べぬ辺境の空は星爆弾だった。
意識は消えず天球に広がり溶けてゆくばかり。
(c) Mitsuhiko WAKAHARA