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カナリア
幸福を装うために使われる
世界中の黄色をひたすら憎んだ
嘘だと叫ぶ側にいつも立った
自分はある種の卑怯を極めた
 
理論上のスペックで売ってゆく事は
別段何も悪いことでは無いという
図鑑に載ることの虚しさを知った
こんな色じゃないと誰に詰め寄る
 
   片手で出来ることは限られていて
   この口はひとつの歌しか歌えない
   使命を失って機能だけが残る
   廃棄された遊園地で司会を務める
 
もう軽々しく不幸とか言わないでおこう
それに代わる言葉が見つかるまで
何もしていないように見える
地殻が深くで呻いている
 
掘るしかなかった土は冷たく硬く
別の所へ行けと言いたいらしかった
すべからく埋めてくれる空があるのに
地にこれ以上何をさせる気かと
 
   片手で出来ることは限られていて
   この口はひとつの歌しか歌えない
   記憶を失くして名前だけが残る
   頁の落ちた本を宝物にする
(c) Mitsuhiko WAKAHARA