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夜話
右腕の骨が砕けたみたいだ
そこにある鉛筆を取ってくれ
知人に手紙で助けを呼ぼう
必死さが伝わらなきゃ死ぬな
 
そういう問題じゃないだろと言ったら
ニコッと無垢に笑いやがった
こいつきっと何かになるなと思ったけど
もうそいつはこの世にはいない
 
秘密をひとつ話してくれるなら
こちらもひとつ昔話をしよう
そのまえに一本だけ
煙草を吸わせて貰ってもいいかな
 
人生で最も長い夜になるだろう
独特の表現なんかに気を取られないでくれ
何について喋ったとき眼が輝いたか
複雑な表情をしたかを記憶して欲しい
(c) Mitsuhiko WAKAHARA