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ピンホール・他
 こんにちは若原です。99%が若原肉で出来ています。残りの1%は六一○ハップです。飲んではいけない。

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 書き忘れていましたが。『華氏911』を見て、『世界がもしも100人の村だったら』『戦争のつくりかた』や、村上龍の『13歳のハローワーク』『あの金で何が買えたか』に似ているな、と思いました。……意図はある。恣意的でもある。でも誠実でもあり、パロディでもあり、事実の一面である。主観的ではあっても、嘘なんかでは絶対にない。
 ……単にメッセージを叫ぶんじゃなくて、そのためのデータを集め、並べ、伝えようとする。かっこいい仕事だと思います。憧れます。実践家・活動家・現場の人々こそを尊敬すべきだとは思うのですが……やっぱり統計学ってかっこいいですよ(『華氏911』は統計学的とはかけ離れてますけどね)。

 そういえば。気象予報士ってあまりかっこよく見えませんね。あれも統計学なのに。すごく社会に役立ってるのに。なんでだろう。

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 そうそう、これも書き忘れていましたが。
 名古屋八事の『ポップコーン』さんは、やっぱりとても良い場所です。どちらかと言えば演りにくいとこです、声も拡散しがちだし。厨房の音も漏れてくるし。普通に立つとそこそこのリーディングで終わります。ですがバシッと立てた人は徹底的に映えます。静まり返って、視線を集めて、緊張感がはりつめて、おしゃれで、とても映えます。
 葉月さんの『詩のあるくちびる』が私のオープンマイクデビューだったこと、とても幸運なことだったと思います。『ポップコーン』さんは、やはり学べる場です。
『ポップコーン』さんで演るのって実はとても簡単でもあります。仲間うちで読むみたいに、甘くニヤニヤわいわいと馴れ合って読めばいい。それでも空間は満たせます、楽しい雰囲気にもなります。しかし、それでは疎外感をおぼえ置いてけぼりになる人が2人ぐらい出ます。
 あの空間には甘さを受け入れてくれる「和み感」もあり、そこに没した人を残念に見せてしまう「もっと上の可能性」もあります。とても学べる場です。

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 先日、バイトで新しく入ってきた人に仕事をレクチャーしました。「教える」という程のことではなく。単に自分の後ろを着いてきてもらって、ひとつひとつコツを伝えただけでした。いらんことまで教えては「あぁまぁ最初はそんなこと気にしなくていいです」と訂正してばかりいました。
 6回ほど失笑を買うことができました。うむ。ヘタレな先輩でごめんよ。自分のことで頭がいっぱいなのさ。いっぱいいっぱいなのさ。すっぱい失敗するさ。ぶっといグッバイかもな。日暮里カッポレ祭りだ。あっぱれさっぱり床屋だ。
 ああ、なにやらとても近況らしい近況を書いた気がします。終盤は意味不明ですが。なあに、若原一流の照れ隠しですよ。「てれかくしい照れ隠し」です。……あ、いや、その、なんですかそれ。

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 さて、今日の一枚です。
 先日100円ショップで買った「視力トレーニングメガネ」です。「ピンホール原理で、はっきり見える!」のだそうですが、ちっとも。むしろ、ひどく疲れます。
 ネットで検索した結果、意外なことが分かりました。一論には「ピンホール原理でピントが合いやすくなる」のですが、もう一論には「眼球の筋肉をとてもストレッチすることになる」のだそうです(矛盾してるようなしてないような)。
 簡単に言うと「光学的にはよく見えます」が「生体的には疲れます」ってことです。あるページでは「目の奥がジーンとしてくるのは、ふだん使わない筋肉をストレッチした証拠」と説明されていました。毎日10分ほどこれをかけ目の筋肉をストレッチする(ほぐす)のが正しい使い道らしいです。なるほど、トレーニング器具なのかこれは。虫眼鏡みたいなものじゃないのね。
 それにしても疲れます。視界が狭いから姿勢が不自然になるんでしょう、肩やこめかみが凝ってきます。100円ショップで買った安物だからなのかな。だいぶ期待してたんですけどね。
2004-08-23
(c) Mitsuhiko WAKAHARA