11日土曜日、名古屋市鶴舞『KDjapon』さんでの『tamatogi』シリーズ最終回でした。
午前中は家で朗読の練習をして、午後2時に家を出ました。名古屋で降りてまだ時間に余裕があったので地下街の三省堂にふらっと入ってみたところ……つい本を買ってしまいました。まだ読書順番待ちの本が1ダースはあるというのに。
*
三省堂を出て、地下鉄黄色線(東山線)に乗って覚王山で降りました。「ええと、太陽があっちだからあっちが北か……」と当てずっぽうで坂道をてくてく歩きました。10分ぐらい歩いたかな。カフェ『Didier(ディディエ)』さんでやっているjaajaさんの展示を見に行きました。
白塗りの内装がおしゃれな、採光量がほどよい涼しげなお店でした。ロールケーキが名物で、ショコラのをたのんだんですがこれがとても美味しかった。スーパーでビニール袋に入って売ってるロールケーキなんかとは訳が違う。パサパサなんかしてないぞ。ケーキ生地の部分はしっとりもちもち、大めの生クリームはサラッとした甘さ。アイスコーヒーの氷が豆粒ぐらいの大きさに細かく砕かれていたり。気配りが心地いいすてきな喫茶店でした。
jaajaさん(ゆーにゃんさん)の展示、すごく似合ってました。……本を買いました(さっきまで読んでたんですが、夢日記がいちいち面白いよ。ナンセンスの局地だけど、挿絵はかわいいし難しくないよ。薄めの本だけど中身は濃くて楽しいです。すごいおすすめ)。15日まで開催してるので、お近くの人はぜひ。
*
覚王山から千種で降りて、JRで鶴舞で降りて『KDjapon』さんに行きました。机を動かしたり役割分担をしたり若干の打ち合わせをしたり折込チラシを作ったり、いろいろ会場前の準備をしました。
メンバーの中では私が一番最初に着いてました。で、店長の太郎さんや他の出演者を待っていたら……荒木巴さんと桑原さんがタクシーで現れて。「これ店内に転がしてってくれ」とタクシーの後部トランクからタイヤを取り出し渡されました。は? タイヤ……?
ASSMAさんはサンプラー(いや、ミキサーだったかな。よく知らないんですがDJの機器)を持ち込んでラインをつないで。オープンマイクにいらした江藤莅夏さんは、現代美術の作家さんとプロジェクターを設置したり。どんどんセッティングが進んでいきました。
*
午後6時会場。お客さんが順々にいらして(桑原さんのお知り合いらしい方もいた。あとで聞いたら十代の頃からだとか)。私は受付で入場料を頂いて、入場スタンプを押して、オープンマイクのエントリーを聞いて、という仕事をしてました。……1回目の『tamatogi』の時はどうも慣れなくてお客さんも自分も戸惑う感じだったんですけど。今回はもう少し愛想良く……どうだったかな。
*
7時40分、開演。……どえらいことになりました。先日お邪魔した『五年後の手紙』という朗読劇でアートをされてた役者さん(ヨコヤマ茂美さん)やらエロリスト(カマタリカさん)やら加久さんやらレモンさんやら、イサムさん林本さん水尾さん夏さんてっちゃん、空色曲玉の谷さん……総勢17人。濃かった。長かった。でもあっという間だった。
カマタさんのズボッという終わり方がとても新鮮でした。水尾さんはBGMつきで爽やかでした。イサムさんの新しい作品は笑えるけど親しみも持てる内容でよかった。ニシマホさんは、安心して聞ける感じがして心地よかった。ゴトウさんのピアノを交えたのもよかった。ヨコヤマさんの「チュパカブラ」面白すぎでした。立ち姿も声色もさすが役者さんでした。インパクト強かったけど、内容に生活感もあって。……みんな質が高かった。
あと、桑原さんの司会がね、今までに会ったことのある人・ここで始めてあった人・噂でだけ知ってた人などをうまくミックスして紹介して、9月11日ということにも少し触れて、自分のことも混ぜて……上手でした。中々ああはできないです。やっぱりすごい人だわ……。
オープンマイク、1時間以上かかってました。今までにない長さでした。面白かった。概念的な「詩らしい詩」より「心がある詩」「絵が見える詩」が多く、聞きやすかったです。
ゲストライブでのASSMAさんのパフォーマンスは、BGMが重なり、変化していく上に呟くようなボーカルが入るものでした。ところどころに気になる言葉が現れ、意味を深め過ぎないうちにフッと去っていく。ASSMAさんらしい、純情で根の優しい雰囲気でした。
荒木巴さんは……『ダイヤモンド娘』というコピーが似合いすぎる、パワフルでやりたい放題のおきゃんな娘さんでございました。カラッとした笑みを輝かせつつ、こんにゃくを客にビタビタと貼り付けたり、舞台上で早着替えをしたり、詩も読んだり。皿を回したり、皿を落としかけたり。……タイヤはね、叩いてました。バチで。どんどこどんどこと。腰をすえて雄々しく。
……濃かった。濃い夜だった。
終演後はその場で自由に飲み会となりました。私は『KDjapon』スタッフのエサマンさんからのアドバイスで「よろしければまたこういうイベントありましたときにポストカードなど送らせてもらいますので」とお客さんのお名前を記帳頂いたりして。桑原さん荒木さんを見送って(タイヤは名古屋のガソリンスタンドで借りたもので、ちゃんと返しに行ったらしいです)。0時過ぎてたかな「おつかれさまでした」って挨拶して私も出ました。
*
で、そのまま知人の家に泊めてもらうつもりだったんですが、ちょっと問題が発生したので泊めてはもらえず。鶴舞のでっかい交差点にあるマンガ喫茶に入りました。
さっそくパソコンで今日あったことを、この近況の原稿を書こうとしたのですが……そのマンガ喫茶のパソコンは当然、私のパソコンとはまったく違う。ブラウザは『IE』のみ、テキストエディタは『ワードパッド』か『メモ帳』しかない。『CLCL』もなければ『マウ筋』もない。ウィンドウの開け閉めすらままならない。『office』が入っていないからフォントも少ない。しかも椅子が低くて机が高いため、液晶モニターを見上げる角度になってしまっている。ああ、疲れる……使いづらい!!!
でも書かなきゃ、ライブ感を活かすべく素早く書かねば! と私は『メモ帳』にガスガス書き込み始めました。コピー&ペーストもD&Dもまともにできないので推敲なんてできません。ただただ書くだけです。
……と。そうして1時間半。飽きました。疲れました。……マンガ喫茶なのでマンガを読んでもいいんですが、興味を引くようなものはあまりなく。いけないかな、とは思ったのですがレジストリは汚さないし、勝手に『マウ筋』と『Sleipnir』をインストールしてネットサーフィンしてました。
……が、それにも飽きて『インターネットリバーシ』をしてコテンパンに負けてみたり、おかわり自由のココアを4杯ほど飲んだり、ぼんやり『Flash・動画文芸祭』を見たり、ひらめいた詩をメモしたり。
無為に「だらだらしていた」わけではなく、シャキッと覚醒して「何もすることがない」状態でした。普段と違う環境で、イベント後の高揚感とリラックスとで、驚くほど脳がいい状態にいました。緊張しているんだけど安定もしている。処理速度が速まっているけど慌ててるような苦しさはない。
見知らぬパソコンをさわってみて実感しました。私がいかに自分用に自分の環境を作ってしまっているか。心地よいように、使いやすいように作った環境で生きているか。……たまにはそれを外れたほうが、思考がスムーズになるなあ。そんなことを考えました。
*
午前6時、清算してマンガ喫茶を出ました。1090円でした。安い。……岐阜へ向かう電車に載ったら、すぐに眠くなってウトウトしてしまいました。緊張の糸が切れたんですね。
家に帰って、朝食をとって。三省堂で買った本を読みました。高野文子の『るきさん』です。書店で見て『BS マンガ夜話』で紹介されていたのを思い出し、実物はあまりに素敵なハードカバーだったのでつい買ってしまいました。うわあ。ああ、いいなあ。和むなあ。落ち着くなあ。なのに意識が冴えるなあ。
*
良い週末でした。楽しかっただけではなく……濃いものを見た、だけど疲れてない、頭の回転が速くなった気がする、でも落ち着いてる、なんか客観的になってる、でも無力感は感じてない。テレビを消して身体でよく考えた。そんな週末でした。『tamatogi』とても良いイベントでした。
午前中は家で朗読の練習をして、午後2時に家を出ました。名古屋で降りてまだ時間に余裕があったので地下街の三省堂にふらっと入ってみたところ……つい本を買ってしまいました。まだ読書順番待ちの本が1ダースはあるというのに。
*
三省堂を出て、地下鉄黄色線(東山線)に乗って覚王山で降りました。「ええと、太陽があっちだからあっちが北か……」と当てずっぽうで坂道をてくてく歩きました。10分ぐらい歩いたかな。カフェ『Didier(ディディエ)』さんでやっているjaajaさんの展示を見に行きました。
白塗りの内装がおしゃれな、採光量がほどよい涼しげなお店でした。ロールケーキが名物で、ショコラのをたのんだんですがこれがとても美味しかった。スーパーでビニール袋に入って売ってるロールケーキなんかとは訳が違う。パサパサなんかしてないぞ。ケーキ生地の部分はしっとりもちもち、大めの生クリームはサラッとした甘さ。アイスコーヒーの氷が豆粒ぐらいの大きさに細かく砕かれていたり。気配りが心地いいすてきな喫茶店でした。
jaajaさん(ゆーにゃんさん)の展示、すごく似合ってました。……本を買いました(さっきまで読んでたんですが、夢日記がいちいち面白いよ。ナンセンスの局地だけど、挿絵はかわいいし難しくないよ。薄めの本だけど中身は濃くて楽しいです。すごいおすすめ)。15日まで開催してるので、お近くの人はぜひ。
*
覚王山から千種で降りて、JRで鶴舞で降りて『KDjapon』さんに行きました。机を動かしたり役割分担をしたり若干の打ち合わせをしたり折込チラシを作ったり、いろいろ会場前の準備をしました。
メンバーの中では私が一番最初に着いてました。で、店長の太郎さんや他の出演者を待っていたら……荒木巴さんと桑原さんがタクシーで現れて。「これ店内に転がしてってくれ」とタクシーの後部トランクからタイヤを取り出し渡されました。は? タイヤ……?
ASSMAさんはサンプラー(いや、ミキサーだったかな。よく知らないんですがDJの機器)を持ち込んでラインをつないで。オープンマイクにいらした江藤莅夏さんは、現代美術の作家さんとプロジェクターを設置したり。どんどんセッティングが進んでいきました。
*
午後6時会場。お客さんが順々にいらして(桑原さんのお知り合いらしい方もいた。あとで聞いたら十代の頃からだとか)。私は受付で入場料を頂いて、入場スタンプを押して、オープンマイクのエントリーを聞いて、という仕事をしてました。……1回目の『tamatogi』の時はどうも慣れなくてお客さんも自分も戸惑う感じだったんですけど。今回はもう少し愛想良く……どうだったかな。
*
7時40分、開演。……どえらいことになりました。先日お邪魔した『五年後の手紙』という朗読劇でアートをされてた役者さん(ヨコヤマ茂美さん)やらエロリスト(カマタリカさん)やら加久さんやらレモンさんやら、イサムさん林本さん水尾さん夏さんてっちゃん、空色曲玉の谷さん……総勢17人。濃かった。長かった。でもあっという間だった。
カマタさんのズボッという終わり方がとても新鮮でした。水尾さんはBGMつきで爽やかでした。イサムさんの新しい作品は笑えるけど親しみも持てる内容でよかった。ニシマホさんは、安心して聞ける感じがして心地よかった。ゴトウさんのピアノを交えたのもよかった。ヨコヤマさんの「チュパカブラ」面白すぎでした。立ち姿も声色もさすが役者さんでした。インパクト強かったけど、内容に生活感もあって。……みんな質が高かった。
あと、桑原さんの司会がね、今までに会ったことのある人・ここで始めてあった人・噂でだけ知ってた人などをうまくミックスして紹介して、9月11日ということにも少し触れて、自分のことも混ぜて……上手でした。中々ああはできないです。やっぱりすごい人だわ……。
オープンマイク、1時間以上かかってました。今までにない長さでした。面白かった。概念的な「詩らしい詩」より「心がある詩」「絵が見える詩」が多く、聞きやすかったです。
ゲストライブでのASSMAさんのパフォーマンスは、BGMが重なり、変化していく上に呟くようなボーカルが入るものでした。ところどころに気になる言葉が現れ、意味を深め過ぎないうちにフッと去っていく。ASSMAさんらしい、純情で根の優しい雰囲気でした。
荒木巴さんは……『ダイヤモンド娘』というコピーが似合いすぎる、パワフルでやりたい放題のおきゃんな娘さんでございました。カラッとした笑みを輝かせつつ、こんにゃくを客にビタビタと貼り付けたり、舞台上で早着替えをしたり、詩も読んだり。皿を回したり、皿を落としかけたり。……タイヤはね、叩いてました。バチで。どんどこどんどこと。腰をすえて雄々しく。
……濃かった。濃い夜だった。
終演後はその場で自由に飲み会となりました。私は『KDjapon』スタッフのエサマンさんからのアドバイスで「よろしければまたこういうイベントありましたときにポストカードなど送らせてもらいますので」とお客さんのお名前を記帳頂いたりして。桑原さん荒木さんを見送って(タイヤは名古屋のガソリンスタンドで借りたもので、ちゃんと返しに行ったらしいです)。0時過ぎてたかな「おつかれさまでした」って挨拶して私も出ました。
*
で、そのまま知人の家に泊めてもらうつもりだったんですが、ちょっと問題が発生したので泊めてはもらえず。鶴舞のでっかい交差点にあるマンガ喫茶に入りました。
さっそくパソコンで今日あったことを、この近況の原稿を書こうとしたのですが……そのマンガ喫茶のパソコンは当然、私のパソコンとはまったく違う。ブラウザは『IE』のみ、テキストエディタは『ワードパッド』か『メモ帳』しかない。『CLCL』もなければ『マウ筋』もない。ウィンドウの開け閉めすらままならない。『office』が入っていないからフォントも少ない。しかも椅子が低くて机が高いため、液晶モニターを見上げる角度になってしまっている。ああ、疲れる……使いづらい!!!
でも書かなきゃ、ライブ感を活かすべく素早く書かねば! と私は『メモ帳』にガスガス書き込み始めました。コピー&ペーストもD&Dもまともにできないので推敲なんてできません。ただただ書くだけです。
……と。そうして1時間半。飽きました。疲れました。……マンガ喫茶なのでマンガを読んでもいいんですが、興味を引くようなものはあまりなく。いけないかな、とは思ったのですがレジストリは汚さないし、勝手に『マウ筋』と『Sleipnir』をインストールしてネットサーフィンしてました。
……が、それにも飽きて『インターネットリバーシ』をしてコテンパンに負けてみたり、おかわり自由のココアを4杯ほど飲んだり、ぼんやり『Flash・動画文芸祭』を見たり、ひらめいた詩をメモしたり。
無為に「だらだらしていた」わけではなく、シャキッと覚醒して「何もすることがない」状態でした。普段と違う環境で、イベント後の高揚感とリラックスとで、驚くほど脳がいい状態にいました。緊張しているんだけど安定もしている。処理速度が速まっているけど慌ててるような苦しさはない。
見知らぬパソコンをさわってみて実感しました。私がいかに自分用に自分の環境を作ってしまっているか。心地よいように、使いやすいように作った環境で生きているか。……たまにはそれを外れたほうが、思考がスムーズになるなあ。そんなことを考えました。
*
午前6時、清算してマンガ喫茶を出ました。1090円でした。安い。……岐阜へ向かう電車に載ったら、すぐに眠くなってウトウトしてしまいました。緊張の糸が切れたんですね。
家に帰って、朝食をとって。三省堂で買った本を読みました。高野文子の『るきさん』です。書店で見て『BS マンガ夜話』で紹介されていたのを思い出し、実物はあまりに素敵なハードカバーだったのでつい買ってしまいました。うわあ。ああ、いいなあ。和むなあ。落ち着くなあ。なのに意識が冴えるなあ。
*
良い週末でした。楽しかっただけではなく……濃いものを見た、だけど疲れてない、頭の回転が速くなった気がする、でも落ち着いてる、なんか客観的になってる、でも無力感は感じてない。テレビを消して身体でよく考えた。そんな週末でした。『tamatogi』とても良いイベントでした。
出演者のみなさん、『KDjapon』さん、桑原さん、おつかれさまでした。見に来てくれたみなさん、ありがとうございました。
2004-09-13