Ｑ ららら。先生ヤン☆
Ｐ おやヤンヤンちゃんもうお帰りかね？
Ｑ だっち学校にいてもすることなーも！
Ｐ ヤンヤンちゃんは部活動しとらなんだかのう……？
Ｑ してなーもー！ あちしんデビューにふさわしいクラブなーもー！
Ｐ ふぉっふぉっふぉっ。しかし何かしてみてはどうかな？ 学生のあいだしかできんことじゃからのう。
Ｑ ぷー！ 学生だって暇じゃないヤン☆
Ｐ 大人より自由時間は多いと思うがのう……まぁめんどくさがらず何でもやってみることじゃて……。
Ｑ ……。
Ｐ ……。ヤンヤンちゃんどうかしたかの？
Ｑ ヤンヤン質問があるんヤン☆
Ｐ おお、答えられれば答えるぞ。
Ｑ ヤンヤン。魔法って何ヤン？
Ｐ ふがぁ？
Ｑ なぜに魔法なんか勉強するっヤン☆
Ｐ ほほう……ヤンヤンちゃんそんなこと考えておったとはのう。
Ｑ そんなことって何にーっ。
Ｐ ふぉっふぉっふぉっ。なんで魔法を学ぶのか、じゃな？
Ｑ うりっ☆
Ｐ それはな、魔法使いになるためぢゃ。
Ｑ なにに魔法使いにならなきゃいけなんヤン？
Ｐ おや？ ヤンヤンちゃんは魔法使いになりたくないのかの？
Ｑ ぶぶー！ ヤンヤン大魔法使いなるもー！ 魔法は放さじっ☆
Ｐ フム……？ では何でそんな質問をするのじゃ？
Ｑ ぶみ〜……うが、なぜにニンゲンは魔法使いを目指せり〜？ そもそも魔法って何ヤン。本当に必要かヤン！
Ｐ それはもちろん必要じゃ。
Ｑ うりうり？
Ｐ 魔法が使えるとなにかと便利ぢゃろ。火を起こしたり。
Ｑ びー！ ライター使ったほうが安全ヤン！
Ｐ うむ……では明日の天気を占ったり。
Ｑ 占いより天気予報のほうが当たるヤン！
Ｐ ううむ……。
Ｑ ヤンヤン！ 魔法って本当に必要ヤン？
Ｐ そうは言うがのぅ。ひとつの魔法も使えないようではこの国で生きてゆかれんぞヤンヤンちゃん。
Ｑ なぜにてーっ！
Ｐ もあぁ？
Ｑ なぜにて魔法が使えないと生きゆかれヤンやーっ！ 魔法オンチがなんの罪になるもーっ！
Ｐ 魔法の使えん自称魔法使いなんぞ誰にも信用してもらえん……自己管理能力が皆無、オサボリ丸出し、食って寝るだけのブタさんも同然と書類選考されてしまうんぢゃ！
Ｑ びびーっ！ まるで魔法ノンノンは人にあらずっちぃそーゆーの選民思想っていうんヤンーっ！
Ｐ そうは言っとらんじゃろう……。
Ｑ びびびびびびびびーっ！ 魔法ってどこが必要ヤン！ もしかしてあちしら大間違いやもーっ！
Ｑ ううむ、そんなことはないぞ。
Ｐ 魔法使いなんてやめてやるもーっ！ ヤンヤンおうちに帰るんだもーっ！
Ｐ おいおいヤンヤンちゃん、魔法使いになりたくても魔法の勉強ができない人は沢山おるんじゃぞ！
Ｑ えーんこ！ そういう可哀相な人たちを食い物にしてるのが魔法使いなんだもーっ！
Ｐ ちがう、それはちがうぞヤンヤンちゃん。そうした人たちの代わりにヤンヤンちゃんは魔法使いになるんじゃ、自分のためだけではないんじゃ。そうじゃ、世界中の人たちがヤンヤンちゃんが立派な魔法使いになって自分達を救ってくれる日を待っとるんじゃ。
Ｑ もーっわけわかんないもーっ。
Ｐ ヤンヤンちゃんは大魔法使いになって世界をミラクルハッピーにする使命を負っとるんぢゃっ！ シンデレラはお城に住める日を待っとる、マルコはお母さんとの再開を待っとる、ピノキオは人間になれる日を、ピーターパンはフック船長を倒す日を、クララは自分の足で歩ける日を待っとるんぢゃーっ！ みんなヤンヤンちゃんのミラクル超弩級魔法支援を待っとるんぢゃぞーっ！
Ｑ ぶびびびーっ！ なに馬鹿みたいなこと言ってるこのひとーっ！ 脳ミソお春ーっ！
Ｐ ムぐぐぐぐぐぐぐ……！
Ｑ ぶびびびびびびびーっ！
Ｐ ぐぬっ……いかんワシともあろう者が。ここで怒ってはいかんのじゃ……！
Ｑ びびび〜。び〜。びい〜ぃ。
Ｐ これこれヤンヤンちゃん泣くでない。
Ｑ だってーえ。んがあーん。
Ｐ ふううううむ？ それにしても惜しいのう。大魔法使いになればおいしいもの食べ放題じゃのにのう？
Ｑ ぶび？
Ｐ 善いことをすれば当然お礼はたんまり、諸国行脚で世界中のグルメが満喫できるのにのう……？
Ｑ ぶ、ぼぼ、ほほほ、ほんとうヤン？
Ｐ ほんとうじゃとも。ワシも若いころはブイブイ言わせておったわい……ふぉっふぉっふぉっ。
Ｑ んがぐーっ！ ヤンヤンもブイブイやるもーっ！
Ｐ おや、ヤンヤンちゃん魔法使いなぞ嫌いになったんじゃなかったかの？
Ｑ そんなこと言ってないヤン！ ヤンヤン大魔法使いなるもーっ！
Ｐ ふぁっふぁっふぁ。それならいいんじゃ。ふぁっふぁっふぁ。
Ｑ ヤンヤン善いこと大好きだもー！ きっとナイスバディ未来グレイトなミラクルをデリバリっちャン☆
Ｐ ふぁふぁふぁふぁ。やっぱりヤンヤンちゃんは難しい顔なんぞしとらんほうが似合っとるよ。