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短詩・未詩 未整理4
嵐の翌日
夜空は透徹
星らは饒舌
ささやく旋律
 
研ぎ澄ます季節
にび残る過失
すぐに変わる天気を
ショーだと思える コロニーに住めば
雨の時間は 雨の時間
ひかりの時間は ひかりの時間
 
天気予報ってひとがやってるんだよ
…しってた? …しりませんでした
セミですもん ムシですもの
有史もへったくれもありませんもん
強力に
ハエ・カを殺すノンフロン
世界がもしも100人の世界がもしも100人の村だったらの村だったら
 
叫ぶ叫ぶ詩人の会の詩人の会
 
最後の最後のニュースのニュース
もたげた祈りを ひっこめる
わたくしなどが祈ると 返って汚れる
 
雲に名づけないことにする
単に「空の白い部分」と呼ぶ
そうすることで 空をかんじる
 
少し冷たい水に指先をつける
波紋が広がる 血管を通して
てもちぶさたな
てもちぶたさん。
《ぶうぶう》
 
ホルマリン漬けの
トルマリン付き。
《つやつや》
時間は昔にあったんだ
寝貯めができたらいいのにな
あくびをもぐもぐ噛んでます
けっこうおなかがふくれます
ひまわりを
咲かして枯らす夏休み
ペンを置く
馬耳東風を訳せずに
うす着になって
ポケットの数を減らした
持てるものは少ない
あれもこれも置いていこう
 
ウォークマンを捨てて
はなうたに磨きを
かがみのまえであそんでみる
 
 ふっふっふ
  うりゃ   そりゃ
   どうだ どうだ
 
 ああ
      ひとりは
  きらく
     だな
壁のカレンダーを分解して、
残りの月を、ぜんぶ並べて貼ってみる。
 
休日が意外と少ないことに気づく。
 
これから毎日、
いちにちの終わりに、
今日に打消し線を入れることにする。
 
ただ日が沈むそれだけのことが、
いつか重要な意味を帯びるようになるだろう。
酸素うまうま
水道管から。
押し出されてきたのは。
新しい。
水。
 
おはよう。
おはよう。
数えてみたら5年が過ぎてたけど
ピアスホールは結局ひとつもない
いくじなしと呼ばれるのが嫌で臆病者と呼ばれるとニヒル
あの化物に憧れたのは優しかったからなんかじゃなく
同類だと違和感なく思えたからだった
 
もういっぺん戻るぜ 旗のところまで
もういっぺん戻るぜ 旗のところまで
ヤカンを見ていた。
これに顔を書いたら楽しいだろうなと。
 
……いずれあらゆる道具に顔を書いてしまいそうだ。
「子供番組ではないのだぞ」と自分を笑った。
 
視界の隅のぬいぐるみも笑っている。
夢の中で歌を聴いた
長くゆるやかで優しい歌だった
めざめてからもしばらく歌えた
そして徐々に消えた
 
得ていないものは失われない
その考え方はさびしい
思い出だって来た道を帰る
誰の胸にも一国があって
ベルトをつめた。
 
ちんちくりんになった。
しまった、穴を増やせばよかった。
からっぽの花びんに
からっぽの花いちりん
 
からっぽのうつくしさ
からっぽのにおい
おきにいりの場所が
改装のため立入禁止になるらしい
「あっ・これって」と予感がする
 
出かけて帰ると
故郷は無くなっていたりして
たてふだが出迎えてくれたりして
 
「みんないつまでも同じじゃないさ」って
古い歌うたう公園つっきる夏に入る
JINROのCMを見ていると
自分は
いつかあれを飲んでみなきゃならない
気がしてくる。
 
まんまとしてやられてる?
気がしないでもない。
プリンターのインクが切れた。
ぬり絵が出てきた。
 
色鉛筆をさがしたらクーピーがでてきた。
 
気分転換になった。
壁に飾る。
復讐について描かれた
ドラマを5分で見限って
料理番組を眺めてた
レシピメモなんて取らないで
 
甘い安酒を飲みながら
首をぼりぼりと掻きながら
疲れた顔してどうしたと
言われた昼間がショックでね
メモもデジカメも持たないで
屋上で壁に背もたれて
しかたなく西を向いている
人と話すのを避けてみる
 
時間が素早く流れたら
感謝する事になるのかな
フードをかぶってうつむいて
肌寒い耳をかばう時
 
やかましい歌が恋しくて
ひざを折り曲げて降りて行く
スピーカーは喋る者の意で、
トレインは学習だそうだ。
 
……プレーヤーになりたい。
ちいさな手に握られ降りまわされる
風船が空に逃げたがっている
 
逃げたがる
 ものを持つのは
  小さな征服欲を満たす
 
軽いことは重い
そういうように作られている
あじけないと寂しいから
麦茶からココアに戻す
 
春だけどあまりあたたまらないな
なんて日記帳ひきだしに戻す
本屋で傘を盗まれた
コンビニまで2.5ブロック
走れ
この街には狙撃手がいるぞ
 
天高くから落ちてくる雨が
痛くないのはなぜなんだろう
花が努力して咲いているように見える
自分の傷の深さに気付く
 
こんな日に塗る薬がない
 
コーヒーで正しかったのかと
カップが唇に当たる
ガム食べて
紙なくて
捨てられなくて
呑みこみかける
 
葉っぱちぎって
つつんで埋める
「そらがふってくるのかしら」
(あめがふってくるのよ)
「ほしはつってあるのかしら」
(いしがもえているのよ)
カフェオレが
身にしみるまであと2分
デジカメの
電池が切れて帰り道
きょろきょろしない
大人にもどる
おかゆを作ってしまった日。
 
んじゃま養生をしてみるか!
風呂のせんをぬいたら流れていってしまった彼が居る。
春のうれひに酔ふままに
張ればやむなし問ふ病まひ
あたらしごとに迷ふ間に
風す花ひら誘ふ舞い
手品師をまじかに見てすげえなと思う
手品師であるから手品師はすごいなと思う
手品師を選んだ手品師はすごい
手品師であり続けようとする手品師はえらい
 
手品師から手品を取ったらもうそれは手品師じゃない
手品師が手品をつぎつぎと繰り出す
一芸一芸にうんうんうなづく驚く悩む心得る尊敬する
手品師ありがとう手品師手品師ありがとう本当にありがとう
電源を切ったパソコンのキーボード
意味もなくかちゃかちゃしてみる。
 
《おはようこんにちわはじめまして
やさしいたのしいうれしいほほえ
ましいかえりたいかわいそうそん
なことないありがとうこちらこそ》
 
おもちゃの電話でだれと話したの?
……世界いち大切なひととだよ。
《透明なメールが自分に届く》
ひとふゆ使った手袋を
裏返しにして日に干して
肌もかさぶたも脱ぎ捨てて
透明な空のいち部分
 
反転しだした気候へと
きびすの開いた靴を履き
虹をみつけて叫びたくなった。
「みなさん虹ですよ!」
「さあさあ」「ほらほら」「虹ですよ!」
「虹虹虹虹」「虹でましたよ!」
 
通りすぎる車。
強風がアスファルトを干す。
晴れ雨の日。泣き笑い。
勝ったり負けたりヘボい街道に
中毒みたいなビバークを張った
パンチドランクな将来におびえ
同時にそいつを楽しみにしてる
 
戦えないなら死んだほうがマシ
戦えないなら死んだほうがマシ
道がさみしいと思うので
つきなみな歌を口ずさむ
どんな生活を美化しても
手ぶらの心は変わらない
なべに沈んだためいきが
明日のあさげを旨くする
 
『だれが濁っていただって?』
「振られるのを待つポタージュさ。」
ねむれないことは悪くない
あそびたいことは悪くない
たくわえることも悪くない
たりないあたまがみな悪い(笑)
『旧姓Bさん』
 
いたんだね。
みられているね、みているね。
てれちゃうような。
でもありがとう。
(c) Mitsuhiko WAKAHARA