空がボロクソに言ってくる
べたつく肌に半音がまわる
あの日の血の匂いを思う
泣かなかったこと そして
体内のような懐かしさ
大きなものへの畏怖と黙とう
自然に翻弄される旅人
頑丈な足腰と重荷 そして
どちらに走っても向かい風の日がある
邪魔な髪は切り捨ててしまおう
翼のかわりに思い出をあげよう
昨日までを名付けてしまおう
大粒の雨に打たれ高揚していく
もっと世界が濡れてぬかるめばいい
流されゆく時間と感情を
溶かし込んで深みどりに押し着せさせて