幸福を装うために使われる
世界中の黄色をひたすら憎んだ
嘘だと叫ぶ側にいつも立った
自分はある種の卑怯を極めた
理論上のスペックで売ってゆく事は
別段何も悪いことでは無いという
図鑑に載ることの虚しさを知った
こんな色じゃないと誰に詰め寄る
片手で出来ることは限られていて
この口はひとつの歌しか歌えない
使命を失って機能だけが残る
廃棄された遊園地で司会を務める
もう軽々しく不幸とか言わないでおこう
それに代わる言葉が見つかるまで
何もしていないように見える
地殻が深くで呻いている
掘るしかなかった土は冷たく硬く
別の所へ行けと言いたいらしかった
すべからく埋めてくれる空があるのに
地にこれ以上何をさせる気かと
片手で出来ることは限られていて
この口はひとつの歌しか歌えない
記憶を失くして名前だけが残る
頁の落ちた本を宝物にする