朝の人ごみ
いくつもの頭が上下して
駅前を足早に入り混ざっていく
そのひとつひとつに
昨夜の夢が残っている
残っている 残ってなきゃいけない
朝ごときに洗われるべきじゃない
徐々にボリュームの上がる焚き火の上
行き場のない魂はどこへ行く
人のつくったものにぶち当たって転がされて
重力に逆らえずにまだここにいたの
朝は来るんだろう
またやって来るだろう どんどんと来るだろう
人の世界で 人の世界に 人の備品のように
行き場のない魂はどこへ行く
夢のはぎれはどこにつながる
ころぶ人がいる 何につまづいた
叫ぶ人がいる 何を見た
建設が始まってる 慰霊碑の 墳墓の
新しいアルバム
一ページ目にみんな戸惑う
汚されることで始まる本だね
はじめはきっと嘘っぽい泣き顔
最後はもっと嘘っぽい笑顔
金とか黒とかいくつも枠がついて
名前を書き忘れた そんな本だね
徐々にボリュームの上がる焚き火の上
行き場のない魂はどこへ行く
砂鉄は磁石に集められ 誰が誰かわからない
溶鉱炉から熱い夢だけがまた
名付けられちまったね
朝が来てるだろう どんどんと来るだろう
人の世界で 人の世界に 人の備品のように
行き場のない魂はどこへ行く
夢のはぎれはどこにつながる
花の首を刈って そいつを束ねて
止めちまった未来で 祝ってくれるんだね
片付くんだから 散らかそうってんだね