教祖になったと
旧友から手紙がきた
教祖になったんだ
一度こないか
歓迎するよ
みんなとてもいい人たちだ
と続いていた
そんなこととは
無縁の奴だったのに
数年のあいだに
あなたに
何があったんだろう
ぼくは少し考えて
手紙をひきだしにしまった
返事は出さなかった
しばらくして
あなたが死んだと人づてに聞いた
教団は後継者で揉めたらしいが
どうでもいいことだ
それから毎月
ぼくの所に
教団の会報が送られてくる
あなたのアドレス帳が
誰かに渡ったんだろう
表紙をめくると
あなたの写真が載っている
いつも花に囲まれて
白い服を着ている