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老人少年
傘ささず
屋根に入らず駆け出さず
唇を噛む
涙のごわず
革靴が
薄ら汚れてゆくさまを
じっと見ている
我の影あり
お前らも
いつかおやじになるのだと
眉をひそめて
子供らを見つ
子供らを
支配したいと言い出しぬ
親の気持ちも
今はわかれど
この俺に
嘘を教えし大人には
罪は無きゆえ
決して恨まず
時を越え
過ぎた自分に伝えたし
馬鹿な真似など
二度とするなと
昼に寝る
暮らしにも慣れ早や四年
独り思ふる
先の事など
このままで
いいとも言えず見上げれば
あの日と同じ
星の並びよ
死すまでに
この空の下 逢う人は
二万人にも
みたぬとか聞く
人生の
幸や不幸を司る
良き人々と
巡り逢わんや
誰が見る
こともなき絵を書いている
紙にではなく
頭の中に
今のその
君の気持ちがいつまでも
変わらなければ
いいのだけれど
それぞれに
それぞれの道があるとして
われら旅人
別れ惜しまず
(c) Mitsuhiko WAKAHARA