トップページ ≫ 和歌・短詩 ≫ 川柳 2007-07-21〜2007-08-11
2007-07-21
おうさまは裸だぼくも脱ぎましょう
生きている人のものだね神様も
俺の血でいい子を産めよ蚊のばばあ
脱獄のあとでこっそり寝に帰る
行間にアンゴルモアを棲まわせる
2007-07-22
手品師が鳩もろともに消しまして
中東で油を売っておりました
観覧車ほんじつ二倍まわします
フラダンスフラミンゴにはフラメンコ
観覧車あしたは逆にまわります
2007-07-23
ペット屋にもぐら叩きも置いてくれ
ケーキ屋でシフォン論など聞かされる
理髪師の転職先に美容院
バス停でタクシー止めて離脱する
電話機の居留守機能をオンにする
偵察のついでにひとり大をする
父の見るビデオの方が趣味がいい
砂時計一秒用は二万円
プリンタのインクが高いせいにした
2007-07-28
空港でおもてへ出ろと脅される
宇宙人らしく付け耳しています
のび太さん責任とってちょうだいよ
もう家に帰りたくないアスベスト
ちょんまげの定位置以外日焼けする
2007-08-01
人気って言っていいのは五人から
新聞に乗ってるタンス韻を踏む
誕生日テレビ欄には赤い枠
2007-08-05
天然のすごさが雲を突き抜ける
つっこみを急所に受けて死にかける
あの月を丸めるだけでヌ億年
ガレージで壊れた兄を組み立てる
ハチ公の悲しむべきは犬であり
兄でなく弟でなく居候
極楽は四季がないのでつまらない
我々に含まれている外野席
爆竹で祝えるところあと二発
2007-08-07
やあななむいつようみふたひとでなし
空海は哀しからずや鳥の白 ※
2007-08-11
蜘蛛に巣を教わっている蟹がいる
かきわけて毬藻のつむじ指で押す
牛乳が生き別れした乳母の味
紅白の勝者はやはり聞いておく
(c) Mitsuhiko WAKAHARA