トップページ ≫ 定型詩 ≫ 旅に出ているさなかのように
旅に出ているさなかのように
旅に出ているさなかのように
見るものすべてが香ばしく
逢う人だれもが愛おしい
いつかは別れる予感して
 
僕はここにいていいのかと
ここが旅の終わりなのかと
それはここではないような
そんな気がして仕方なく
 
旅に出ているさなかのように
瞳は雲を追っている
無性に独りになりたくて
すべてを捨て去りたくもなる
 
僕はここにいていいのかと
ここが旅の終わりなのかと
それはここではないような
そんな気がして仕方なく
 
旅に出ているさなかのように
どこのだれでもない僕は
風に吹かれてゆくばかり
風に吹かれてゆくばかり
(c) Mitsuhiko WAKAHARA