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旅の終りに見た夢は
旅の終りに見た夢は
沈む夕日の美しさ
いま感じているこの気分
忘れさせないでくれないか
 
旅を終らせる切なさや
帰る場所がある嬉しさを
夕日に横から照らされて
僕は途惑っているようだ
 
この旅のあいだ何回も
夕日を見取ってきただろう
それなのに今日は僕たちが
見送られている側なんて
 
旅を終らせる切なさや
帰る場所がある嬉しさを
夕日に横から照らされて
彼は躊躇しているようだ
 
細く長く地に張りついた
影は放っといて帰ろうか
 
旅の終りに見た夢は
沈む夕日の美しさ
眩しさに はっと目覚めると
見馴れた朝日の元だった
(c) Mitsuhiko WAKAHARA