くじいた足を引きずって
独り部屋へと辿り着き
何もする気になれないと
ぼやきながらも服を脱ぐ
寝床のそばの窓の中
あの日と同じちぎれ雲
「今日はいい日でしたか?」って
誰か尋ねて貰いたい
『鳥に産まれてみたかった……』
そんな言葉を口にした
あの日の僕の憧れが
眠れぬ夜によみがえる
『鳥に産まれてみたかった』
そんな言葉を口にした
あの日の僕は無邪気にも
何も知らずにはしゃいでた
東へ向かう飛行機が
空を横切り飛んでゆく
あの高さから眺めたら
街はどんなに見えるだろう
僕が自由じゃないなんて
僕に教えた人達も
僕が自由になることを
はばむ事までしないだろう
『鳥に産まれてみたかった……!』
そんな言葉を口にした
あの日の僕の豊かさで
あしたの僕は笑うだろう
『鳥に産まれてみたかった』
そんな言葉を口にした
あの日の僕の幼なさも
あすの朝には消えるだろう