どんなひとにとっても
春は一度め
二度と出会うことなく
今日を過ぎゆく
「自分だけはたいして
変わらなかった」
みんなそんな気持ちで
歳を重ねる
「去年散ったこの花
また芽ぶいたね
いつも同じ色して
咲いていたっけ」
生きることは老うこと
花はまた咲く
春はいつも一度め
くいを残して
*
どんなひとにとっても
春は思い出
過ぎたころにふとして
笑みがこぼれる
別れ出会い学んで
やがて慣れゆく
信じ迷い流れて
そして忘れた
「去年散ったこの花
また芽ぶいたね
いつも同じ色して
咲いていたっけ」
生きることは老うこと
花はまた咲く
春はいつも思い出
遠いあこがれ