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innocent paradise
神さまに 問われ続けた
黒い影 ひきずりながら
小さめの 勇気を抱いて
走るしか しかたなかった
 
増えてゆく 恥と折りあと
失くしもの セピアの甘み
あの地平 ゆらめきの水
まぼろしに 肌は渇いて
 
英雄に なる夢を見た
それは罪 子供のための
きしむ腕 いだけるものは
目に見えぬ 時空の鎖
 
夢を見た 裸の夢を
それは嘘 言葉のせいの
頭から 心を捨てた
欲望を 迎えるために
 
   *
 
ふつつかな 迷い子だった
発見を とくいげにして
いつだって はじめてだった
なぜここに いるんだろうと
 
伸びてゆく 爪と残響
ほつれから 粒がこぼれる
空に穴 覗いた光
球体に 命を分けて
 
旋律を 深く愛した
それは歌 終わらないもの
遠くから 喚ばれ来るもの
千年は 一瞬だから
 
さらさらと 砂を遊んだ
それは声 原子の音色
手ざわりに 優しく触れた
確かめて 受けとりたくて
(c) Mitsuhiko WAKAHARA